高野切第一種 臨書
古筆臨書作品 「高野切第一種」(こうやぎれだいいっしゅ)
2016 / 六本木スペースビリオン
「高野切」はこれまでに最も書き親しんだ古典です
形はもちろん潤渇や抑揚、緩急などが生み出す
多彩な変化の美の再現に留意しました
高野切は古今和歌集を写したもの
一種、二種、三種とある中で、とりわけこの第一種は
より品格の備わった完成された美しさの古典美と感じています
初心を忘れない為にも、くりかえし立ち帰る場所
この箇所ばかり、幾度も幾度も幾度も繰り返し書きました
漠然と全臨をしてしまうと達成感のみに酔い痴れてしまいがちですね
同じ場所だけを来る日も来る日も執拗に書き続ける内に
昨日は見えなかった小さな気づきが必ずあって
そんなときにふと、古典美の世界に
無限の宇宙を垣間見たきもちがするのです